サブリース契約書で、契約期間中の解約や賃料値下げの禁止を法的に担保したところで、サブリース会社が倒産してしまえば、それで終わりです。サブリース会社と契約する場合は、必ず財務内容が高い会社でなければなりません。
又、財務内容と利益が共に良い値に見えても、不動産の在庫を多数抱えている会社は、不動産市況が悪化すると資金繰りが急激に悪化する事が多いいので注意が必要です。
ご承知の通りバブル崩壊後、沢山の不動産管理会社が倒産し、投資家・不動産オーナー様や入居者に多額の被害が発生しました。
この倒産理由の多くが、獲得競争激化の中で
「サブリースを他社に取られてしまった。」、「サブリースを受託する為に無理な保証家賃を設定した。」
といった要因によるものだからです。
物件の全ての借主であり貸主でもあるサブリース会社の破綻では、敷金に代表される預かり金などの損害額はもちろん、物件に対するイメージの毀損にも大きな差が出てきます。
破綻した時のリスクの大きさは通常の管理契約の比ではありません。
サブリースで任せたい場合は、
「会社の売上・利益に占めるサブリースの割合比率」
「金融機関からの借入金額」
など、相手先の与信能力に充分な注意を払われた上でのご契約をお勧め致します。
サブリース会社よりの減額請求リスク
回避できないリスクの代表例が、サブリース代金の減額請求リスクです。
最高裁では「たとえサブリース契約であっても、それが普通建物賃貸借契約である限りは、借地借家法32条1項の賃料減額請求(強行規定)が可能だ」と判断しています(最高判平16・11・8)。つまり、家賃保証金額が経済変動などによって不相当な水準になった場合、契約条件に拘わらず貸主と借主の双方に家賃保証金額の増減を請求できる権利を認めています。
(サブリース問題研究会)