<契約書>(2)
(質問)
契約書の内容を見ていたら、「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」となっていました。
そういう契約内容は不当だと思うのだが、削除を求めるべきでしょうか、それとも、法的に認められないと思うので無視して契約したほうがよいのでしょうか?
(回答)
「契約更新ごとに家賃を5%値上げする」という合理的な根拠はあるのでしょうか?
万が一、そういう根拠があれば、「不当な契約」とは言えません。
しかし、ふつうは、「更新ごとの自動値上げ」を行うような合理的な根拠はないと思います。
そういう場合には、消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する条項は無効である」に該当しますので、契約内容そのものが無効となります。
できれば、最初から削除してもらうほうがよいと思いますが、あまり強い交渉を行うと、契約そのものができなくなる(家主が契約を拒否する)可能性もあります。
入居を優先したいのであれば、あまりに強い要求は避けたほうがよいでしょうが、その代わり、契約更新時には交渉を行う必要があります。
どちらがよいとは一概に言えませんが、最終的には、借主の判断次第となります。
<手付金>(1)
(質問)
手付金を業者に支払い契約書にも署名捺印しましたが、1時間後にもっとよい条件の物件が見つかった。
そこで、手付金を支払った業者に連絡して解約を申し入れましたが、「手付金は没収する」と言われた。たった1時間なので納得できないのだが‥。
(回答)
もし、契約書に、家主・借主双方が署名捺印を行っていた場合には、「契約成立」と解釈されるため、手付金の無条件返還は不可能になるでしょう。
なぜなら、家主の署名捺印があるということ自体、家主が、仲介業者に契約行為の代理権を与えていた証拠であると解釈できるからです。
つまり、時間の経過には関係なく、原則として、手付金の返還はできないということです。
手付金の返還がされるケースとしては、家主や業者の説明が事実と異なるような場合に限られるでしょう。いずれにしても、手付金を納めるときは、安易に考えてはいけないのです。