日本住宅性能検査協会調査委員会の構成
日本住宅性能検査協会調査委員会は、二つの委員会で構成されています。
(一)不動産ADR調停案作成検討委員会
不動産運用モデルを複数検証し、最有効利用となるモデルを調査します。各モデルの収益予測および物件価値を検証し、実勢売買価格調査・不動産鑑定評価・金融資産調査など多岐に渡る項目についての調査報告書を作成します。
そして、その報告書を基に調停案作成基礎資料の「事業再生計画案」を作成します。
(二)シェアハウス等投資不動産不正取引調査委員会
スマートデイズ(かぼちゃの馬車)(※1)他、ゴールデンゲイン(※1)、サクトインベストメントパートナーズ(※2)、ガヤルド等、でその周辺の土地売買業者の売買契約書に瑕疵があるものや取引において、宅地建物取引業違反が疑われる悪質なケースが多くあります。これらの取引を精査して、適切な対処方法を検討致します。
(※1)ゴールデンゲイン
2015年3月26日に設立された会社であり、シェアハウスの運営を行っていた。
ゴールデンゲインを主に取り扱ったのは渋谷支店であった。同社は2018年5月22日に破産手続開始決定を受けている。
スルガ銀行が把握しているゴールデンゲインの取扱件数は128件、そのうち渋谷支店が127件である。
(※2)サクトインベストメント
2010年6月25日に設立された会社であり、遅くとも2014年頃からはシェアハウスの運営を行っていた。
スルガ銀行でサクトを主に取り扱ったのは二子玉川支店であった。同社は2017年2月に差押えを受けるなどして、シェアハウスの運営を行うことが不可能となった。
スルガ銀行が把握しているサクトの取扱件数は116件、そのうち二子玉川支店が106件であり、残り10件は渋谷支店である。
宅地建物取引業違反が疑われる事例のご紹介
物件の価格に加算のやり口
大きな問題点は、不動産の業者たちの様々な介入による物件の価格が跳ね上がるという、特殊な手口です。
(1)新中間省略登記
その一つが新中間省略登記と呼ばれるものです。
地主が(2)不動産業者に土地を売り、(3)投資家に転売する際、(1)→(2)の登記を省略し、(1)→(3)に直接移転したようにできる登記のこと。
これが「第三者のためにする売買契約」で、(2)を「三為業者」と呼ぶ。彼らの取り分は20~30%で、それだけ物件価格が相場より高くなります。
オーナーのBさんの例
上の方法で、売主と買主の間に5人の業者が入る、「五為業者」となり、元値は4700万円の土地が、3社が間に入ったせいで7980万円で買ったことが後で判明。
そしてその確認書類には、Bさんのサインがありましたが、それはBさんがしたものではなく偽造されたものでした。
(2)キックバック
キックバックとは、スマートデイズ社が建物の建築を依頼したとすると、建築会社から建築費の一部がSD社に支払いがあるということがあらかじめ決まっているというものです。
Cさんの場合は、自分の知らないところで、正規の代金の他にさらに「業務委託費」としてSD社が受け取っていたといいます。
銀行と業者で引き出しの金額を決める
預金が勝手に引き出されたという信じられない事案も報告されています。
オーナーDさんの例
Dさんは、土地代の約9800万円は融資されましたが、その後、約1億円が私に無断で引き出されていました。土地代プラスアルファのお金がどこに消えたのか、通帳の出金先が空欄なのでよく分かりません。
上記オーナーBさんの例
7980万円の融資の実行後に約8400万円が知らない間に引き出されていた。その分は経費と手数料だったが、被害者の多くは、金額が空欄の引き出し伝票に名前と日付だけを書かされており、銀行は指示通りに販売会社から預金の引き出しを行った。 さらに、過剰融資を受けた分からきっちりと200万円ほどスルガ銀の定期預金として組み込まれていた。
もちろん定期預金は、フリーローンと同じく条件だったもので、無断で横領したということではあませんが、それにしても、預金者への確認なしに多額の引き出しが行われた事態問題です。
これらの取引に絡んだ全ての当事者に法的な問題を問わざるを得ません。
シェアハウス等投資不動産不正取引調査委員会で纏めたスマートデイズ相関図
PDFでご覧頂けます。
株式会社スマートデイズ(SMART DAYS, INC)
事業内容
不動産の売買・仲介・斡旋・賃貸・管理及び寄宿舎の経営・建築事業・職業紹介事業・旅館業
種類 |
株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
104-0061 東京都中央区銀座1-7-10 ヒューリック銀座ビル |
設立 |
2012年8月2日 |
業種 |
不動産業 |
法人番号 |
4010001148478 |
事業内容 |
不動産の売買・仲介・斡旋・賃貸・管理及び寄宿舎の経営・建築事業・職業紹介事業・旅館業 |
代表者 |
破産管財人 清水祐介 |
資本金 |
21億40万円(資本準備金を含む) |
従業員数 |
125名(子会社を含む、2017年10月1日現在) |
WEBサイト |
スマートデイズの「かぼちゃの馬車」
株式会社スマートデイズ(SMART DAYS, INC)は、かつて東京都中央区銀座に本社を置いていた不動産会社である。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」のサブリース(不動産転貸)事業などを展開していた。
沿革
2012年8月、資本金300万円で設立[1]。2013年7月、資本金を950万円に増資[1]。2014年5月、資本金を5000万円に増資、「かぼちゃの馬車」ブランド事業を開始[1]。2015年7月、有料職業紹介事業登録、資本金を1億円に増資[1]。2016年5月、「STEP CLOUD」「キャン泊」ブランド事業を発表[1]。2017年3月、「LIRY」ブランド事業を発表[1]。同年8月、株式会社オーシャナイズと資本業務提携契約を締結、資本準備金含む資本金を21億円に増資、旅館業を開始[1]。同年10月2日、株式会社スマートライフから現在の名称に商号変更[3][1]。
2018年4月9日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた[4]。負債総額60億3523万円。4月18日、民事再生法の申請が棄却され、保全管理命令を受けた[5]。5月15日、破産手続開始決定を受けた[2]。関連会社の株式会社ステップライフも同年6月20日に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[6]。
(ウィキペディアより)